周辺の気候
国立乗鞍青少年交流の家がある高山市日影平の気候は、中部地方中央部の僅かに日本海側に位置しているため、内陸型気候で日本海型の影響が見られます。一般に内陸型気候は、夏冬、昼夜の寒暖の差が大きく雨量は少ないものですが、立地が標高1,500mの亜高山帯に近い高地、山地であることが気候に影響しています。
標高5~600mの高山市街地と比べ、900m余り高度が上がるため、毎日の気象庁発表「高山の気温」から5~6℃低く、降水量も多目です。
夏の最高気温は22℃程度で過ごしやすいですが、1月下旬から2月上旬には最高でも-10℃以下が続く日もあり冬期の寒さは厳しいといえます。寒冷のため雪が消えづらく積雪は2メートル余りに達します。
特異な現象として、秋などに高山盆地に朝霧が雲海のように張る日がありますが、このときは青少年交流の家周辺は晴天で、高山市街地より気温が高いことがよくあります。
また、風は高地ということで強そうに思われがちですが、意外に弱いのが特徴です。
季節の移り変わり
日影平の春は遅く、冬は早いです(冬期間が長い)。4月中旬で30cm余りの残雪があり、終雪は5月になってからになります。また、10月下旬には初雪があり、高山市街地と比べると1か月程早く降ります。
春の訪れを感じさせるのは、雪どけを待たずに黄色い花を付けるマンサクなどの木本類です。
4月中旬、雪の間に土が現れ始めると、フキノトウが芽吹き、少しずつ草木が芽を出し始め、5月下旬にはサクラが開花し遅い春本番。ワラビ、タラの芽、ウドなどの山菜が採れるのもその頃です。
6月、落葉広葉樹がまばゆいばかりの新緑の葉を付け、しばらくすると梅雨がやってきます。
学校が夏休みに入る頃には、林床の草本類もかわいい花を咲かせます。日影平の夏は短く、夏の太陽が照らす期間に精一杯咲き誇ります。シラカバなどの木々も葉を濃い緑に染め山を覆う季節です。
赤とんぼが飛び交った後、9月中旬に秋雨前線が訪れると、めっきり寒くなり秋を迎えます。ハナウイグチやシメジ類・テングタケ類などのきのこが見られ、10中旬、紅葉は乗鞍岳上部から下りてきます。周辺は、落葉広葉樹とカラマツが多く、全山が紅葉・黄葉しとても美しい。
その頃、北アルプスの山々は白く冬化粧し、しばらくすると、日影平も冬の到来となります。
外気温の状況
【令和2年度の記録から 】朝平均=6時の外気温の平均 昼平均=12時の外気温の平均